RSS | ATOM | SEARCH
エミリの小さな包丁

森沢明夫さんの小説『エミリの小さな包丁』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

信じていた恋人に騙され、職業もお金も、居場所さえも失った25歳のエミリ。藁にもすがる思いで10年以上連絡を取っていなかった祖父の家へ転がり込む。心に傷を負ったエミリは、人からの親切を素直に受け入れられない。しかし、淡々と包丁を研ぎ、食事を仕度する祖父の姿を見ているうちに、小さな変化が起こり始める。食に対する姿勢、人との付き合い、もののとらえ方や考え方……。周囲の人たち、そして疎遠だった親との関係を一歩踏み出そうと考え始める。

(帯より)

 

 

(感想)

 

主人公の祖父は、主人公からの打ち明け話を聞いても、それに対していいとも悪いとも言わず、ただ見守ります。

つらいこと、悲しいことに打ちのめされても、未来を創っていくのは自分しかいないのだからと。

 

けして多くは語らないけれど、重みのある祖父の言葉が心に染みました。

 

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

author:はんな, category:, 17:38
comments(0), trackbacks(0), pookmark
王とサーカス

米澤穂信さんの小説『王とサーカス』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

わたしはまだ、なにも知ってはいないのだ。

ひとにものを訊く意味も。

ひとにものを伝える意味も。

 

彼女は異邦でふたたび、自らの人生をも左右するような大事件に直面する。

彼女は何を見、何を聞き、何を胸に刻んだのか。

(帯より)

 

 

(感想)

 

知ろうとするということは尊いという信条のもとで記者を続けてきた主人公。その信念がネパール国王の死とその真相に迫ろうと接触した軍人の死によって大きく揺らぎます。

 

物語の終盤は、軍人が誰に何のために殺されたのかを追う展開となり、最後に犯人も明らかになります。意外な結論に驚きはしましたが、記者とはどうあるべきかを問い続ける主人公の苦悶の方が印象に残りました。

 

『王とサーカス』というタイトルは、幾分風変わりだと読む前は思っていましたが、話の中盤に出てくるエピソードを読むと納得が行きました。語り手は後に殺される軍人ですが、例えが明快で、報道の在り方を厳しく問う内容に記者ではない私でさえも深く考えさせられました。

 

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

author:はんな, category:, 18:15
comments(0), trackbacks(0), pookmark
昨夜のカレー、明日のパン

木皿泉さんの小説『昨夜のカレー、明日のパン』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

7年前、25歳で死んでしまった一樹。残された嫁・テツコと今も一緒に暮らす父・ギフが、テツコの恋人・岩井さんや一樹の幼馴染みなど周囲の人物と関わりながらゆるゆるとその死を受け入れていく感動作。(巻末より)

 

 

(感想)

 

大切な人を失った後も、非情なことに日常生活は続く。しかしその日常生活で触れ合う人々との関係の中に、亡くなった人の死を受け入れて前に進むヒントがある。

 

人は人によって救われる。改めてそのように感じました。

 

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

author:はんな, category:, 17:55
comments(0), trackbacks(0), pookmark
東京ピーターパン

小路幸也さんの小説『東京ピーターパン』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

平凡な日常をそれなりにこなす印刷会社のサラリーマン・石井は、人身事故を起こし、パニックで逃げてしまう。伝説のギタリストでありながら、今はホームレスの辰吾、メジャーを夢見るバンドマン・小嶋を巻き込んで辿り着いた先は、寺の土蔵。そこは引きこもりの高校生・聖矢の住処だった。年齢も人生もバラバラ、けれど唯一の「共通点」を持つ彼らが出会ったとき、起こった「キセキ」とは?

 

 

(感想)

 

バラバラだったジグソーパズルが見事にハマるかのように集結した面々。現実世界では、そう上手くは行かないよと思いながらも読み終わると晴れ晴れ、スッキリした気分になりました。

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

author:はんな, category:, 17:58
comments(0), trackbacks(0), pookmark
父よ、ロング・グッドバイ

盛田隆二さんの『父よ、ロング・グッドバイ 男の介護日誌』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

家族の事情をここまで世間にさらしていいのか?という迷いも確かにあった。だが、両親の晩年の姿を正確に書き記すことは、父と母が辿った人生を記憶に刻みつけるための唯一の方法であると思い、覚悟を決めた。両親や配偶者に介護が必要になり、在宅介護や施設利用を考えている読者の皆さんに、ぼくの個人的な介護体験が少しでもお役に立てればと思う。 

 

盛田隆二

(帯より)

 

 

(感想)

 

腹が立ったり、泣きたくなったりしながらも、最後まで愛情を持って父親の世話をする筆者の姿が印象的でした。

 

出来るだけ穏やかな心で介護にあたることで、認知症が進んでもまだ残る被介護者の純粋な感情に気付くことが出来るのではないかと思いました。

 

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

author:はんな, category:, 18:03
comments(0), trackbacks(0), pookmark
今日の空の色

小川糸さんのエッセイ『今日の空の色』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

鎌倉に小さな古い家を借りて、久し振りの一人暮らし。朝は早起きしてお寺の座禅会に参加し、夜は屋上でビール片手に満天の空を観る。ペンギンと恋人のように待ち合わせして夕食を楽しんだり、近くの小川をホタルと一緒にお散歩したり。携帯もテレビもない不便な暮らしを楽しみながら、本当に大切なことに気付く日々を綴った大人気日記エッセイ。(巻末より)

 

 

(感想)

 

小説『ツバキ文具店』は、こういう背景があって執筆されたのかと興味深く読みました。

 

気候に合わせて生活し、食や人との触れ合いを目一杯楽しむ筆者だからこそ、心豊かな小説が書けるのだろうと思いました。

 

 

※こちらの本は、ご紹介のみです。

 

 

 

 

author:はんな, category:, 18:10
comments(0), trackbacks(0), pookmark
人質の朗読会

小川洋子さんの小説『人質の朗読会』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた。

 

紙をめくる音、咳払い、慎み深い拍手で朗読会が始まる。

祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは

人質たちと見張り役の犯人、そして……。

(帯より)

 

 

(感想)

 

濃密とは言えないささやかな心のふれあいを通して、明日へと繋がる大事な一歩を踏み出したエピソードを語る人質たち。淡々と語られるなかにも、確かな力強さを感じました。

 

死を意識しながら行なわれる朗読会であったからこそ生まれた神々しさなのだろうかと思いました。不思議な世界観のある1冊でした。

 

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

author:はんな, category:, 18:09
comments(0), trackbacks(0), pookmark
ツバキ文具店

小川糸さんの小説『ツバキ文具店』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

言いたかったありがとう。言えなかったごめんなさい。

 

伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けいたします。

 

ラブレター、絶縁状、天国からの手紙……。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元に、今日も風変りな依頼が舞い込みます。

(帯より)

 

 

(感想)

 

単に手紙を整った文字で清書するのではなく、依頼者に入念にインタビューをして、それに合った文字(時には敢えて活字で)、文面で書き、筆記用具、文字の色、便せん封筒、切手など、細部に渡って気を配る代書屋という仕事に魅せられました。

 

身近にいる温かな人々と美味しいご飯。その二つがあれば、自然と人に優しく、自分に優しくなれるものなのかもしれないと思いました。

 

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

 

 

 

 

 

author:はんな, category:, 18:13
comments(0), trackbacks(0), pookmark
ポジティブ・チェンジ

メンダリストDaiGoさんの『ポジティブ・チェンジ 自分を変えるのに頭も根拠も希望もいらない!』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

メンタリストDaiGoが実践した超変身法を初公開!

心理学と脳科学の最新研究を駆使。楽しみながら自分を変える「ポジティブ・チェンジ」で「なりたい自分」になる方法を教えます。

(帯より)

 

 

(感想)

 

“思考より行動ありき“ 私は、これからしようとすることに伴って起こりうることを事細かに考えて、そして不安になって、実際に行なうのに尻込みすることがあるので、考えるより先に行動することを自分の取りかかりやすい小さなことから始めてみようと思いました。

 

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

 

 

 

author:はんな, category:, 17:25
comments(0), trackbacks(0), pookmark
満願

米澤穂信さんの短篇小説集『満願』を読みました。

 

 

(あらすじ)

 

その犯行には、人生よりも深い謎がある。

 

人を殺め、静かに刑期を終えた人妻の本当の動機とは。驚愕の結末で唸らせる表題作をはじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリー短篇集の新たな傑作誕生!

(帯より)

 

 

(感想)

 

どのお話も最初から不穏な気配を感じ、その予感通りに明るさとは程遠い結末を迎えますが、不思議と後味は悪くはなく、一話一話読んでいく毎にぐんぐん惹き込まれ、読むスピードも加速しました。

 

※こちらの本は、店内での閲覧、貸出可能です。

 

 

author:はんな, category:, 18:07
comments(0), trackbacks(0), pookmark